くえすとー。


今日もプロトキン著の『メディシン・クエスト』





冬虫夏草の話がとっても面白かった。
“菌” の話は楽しい。
大好きな泉鏡花の短編に「茸(きのこ)の舞姫」(なんてメルヘンなタイトルheart)というのがあるのを知り、
Amazonで注文中。
読んだら、合わせて書くつもり。




今日は、ヒルウジについて。
楽しいぞ〜♪



ヒルの第一人者とされる、ロイ・ソーヤー博士。
ソーヤーは1984年、ヒルの繁殖業を興した。
会社名はバイオファーム。
モットーは「科学の端っこに噛みつけ」


現在(この本の刊行時2002年)、バイオファーム社は、
医療用ヒルの世界最大の養殖者であり供給者だ。
イギリスを含む西ヨーロッパの病院の三分の二が医療用ヒルを使っており、
需要は絶え間なく高まり続けている。
同社は二十もの国の病院や研究機関に毎年50,000匹のヒルを納めている。
バイオファーム社独自の研究も進めており、
たったふたつだけの種から50近い成分を分離した。
ふたつとは、
ヨーロッパヒルとアマゾンの巨大ヒルだ。
そのうち十の成分は非常に有望なので、特許がとられている。


……というような現状をご存知???




そもそもヒルは熱帯だけにいるのではない。
ヒルはおよそ650種いると見られているが、
砂漠の水溜りにも、極地の海にも、3,000メートル級の山のなかにさえ存在する。
人間には大抵無害だけれど、なかには致命的なやつもいる。


有名な話は、シナイ砂漠を東へ進んでいたナポレオン軍にまつわるもの。
砂漠の太陽にあぶられた兵士たちは、
やむにやまれず、水溜まりに通りかかるたび、
そこの水をぐいぐい飲み干す。
そういう水溜まりのいくつかには小さなヒルが棲んでいて、
水といっしょに飲みこまれた。
体内に入ると、ヒルは口のなかや喉に取りつき血を吸う。
一部の兵士は失血死した。
しかし、それは運がいい方で、
血を飲んで太ってくるとヒルは喉や鼻の穴を塞ぐようになり、
多くの兵士は窒息して命を落とした。


実際に、ヒルを治療に使うことは、
医薬に関する記録の残っているもっとも初期のころから行われている。
古代のエジプト、ローマ、インド、中国でヒルは利用されていた。
中世期、散髪屋は散髪と髭剃りだけでなく、様々な放血療法も始めた(ヒルも使われた)。
こういう散髪屋兼外科医は血に染まった包帯を店の前の支柱に巻きつけて看板代わりにするようになる。
これが今、理髪店の前にある赤と白の目印の由来なのだ。


へぇ〜〜〜



皮肉なことに血を吸うヒルの性質を利用した医療を最大限に活用したのが、
上記ナポレオン軍の軍医、フランソワ=ジョーゼフ・ブルーセだった。
ブルーセの熱心な勧めにあおられ、
フランスは19世紀中に1,000,000,000(十億)匹以上のヒルを国外から取り寄せ、
国内で捕まえたヒルに加えて外国産のものも使った。
需要が増えるにつれて価格も高騰し、
薬局のなかにはヒルを「貸し出し」するところも出てきた。
患者から患者へヒルがたらい回しにされると、当然ながら病気が広がった。
ヒルはアメリカでも医療用に用いられた。
1865年から1915年の間、年間1,000,000(百万)匹のヒルが使用されていて、
最も多く使われたのはアメリカ産のものだが、ヨーロッパからも輸入された。
19世紀も終わりに近づき、
パスツールらが「体液」やら「悪い血」やらでなく細菌が病気の主な原因だと解明してからは、
ヒルの人気は下り坂になった。




昔の「ヒル医者」たちはとんでもない誤解や根拠のない思いこみが多々あったが、
ヒルが血流に影響を与える、という点では正しかった。
心臓疾患や循環器の障害、血液凝固などなど、心臓に関わる問題に対処する良薬のいくつかが、
このヒルから開発されたのだ。






へぇ〜〜〜

へぇ〜〜〜





放血療法(瀉血)療法は、ハーネマンがオルガノンでけちょんけちょんにののしっているけれど、
この療法は決して悪いものではなかったと思う。
悪かったのは当時の低レベルの医学であって、だから、皆ムチャクチャにやってたんだよ。
ハーネマンだって怒っているのは、瀉血療法に対してではなく、これらを施していた医師らにでしょ。


っつーか、ホメオパシー学んでいる人たちって、
オルガノン以外の医術書ってほとんど読んだことないでしょ。
(オルガノン読んでる人も少ないだろうけれど)。
これって凄く問題じゃないかと思うんだけど、どーよ?
ひとつしか知らなくて「これサイコー」って言ってたら世話ないよね。


「思いっきりアロパシーじゃん。この療法はホメオパシーの敵中の敵。」っておとー(My Husband)は笑っているけれど、
アロパシー、そんなにダメかなー。


100歩譲ってもらってさっ、このヒル療法は身体に良さそうな気がするのよね〜。
あっ、私は遠慮するけど。











このヒルに匹敵するのはウジ。
西洋では、ウジ療法に対する関心は過去150年間高まったり鎮まったりしてきたけれど、
オーストラリアのアボリジニ、
ンゲムバ族や、ビルマ北部の山岳民族、
中央アメリカ北部のマヤの治療師などにとっては
古くからの標準的な健康管理法だったことが知られている。


なんとっ!?



例えば(やはり)ナポレオン軍の従軍外科医バロン・ラリーなどは、
戦場に放置され、傷口にウジが盛んに湧いていたような負傷兵ほど、
すばやく手当てを受けた者よりも傷の治りがいいことが少なくないのに気づいていた。
同様の例は、南北戦争や第一次世界大戦でも見受けられた。

この奇態な療法の「秘密」は、
ある種のアオバエのウジが、腐敗した組織だけを食い、
同時に回復を促すことである。

もう少し詳しく書くと、
ウジはまず有害なバクテリアを食べて消化し、主要な感染源を取り除く。
次にアラントイン、アンモニア、炭酸カルシウムなど、治癒力のある物質を分泌して組織を殺菌する。
次いでウジが傷口を這いまわるのがマッサージ刺激となり、
健康な組織(「肉芽組織」)の成長を促すのだ。
多くの場合、傷はこうして麻酔薬や消毒薬を使うことなく治り、
手術など従来の方法で治療した場合より傷跡も目立たない。



まいりましたっ。





映画「グラディエーター」の中で
ラッセル・クロウ扮するローマ軍将軍マキシマスの傷口のウジを
「これが治してくれる」(こんなようなセリフだったと思う)と、
奴隷である黒人に言われているシーンがあったのを覚えている。
これって、このことだったのねー。


以前に「昭和の脱獄王」について書いたけれど、
そこで白鳥が獄中で重い鉄枷を両手両足はめられ、そこにウジが湧き・・・なんてくだりを
本だかネットでだかで読んだことがあって、
ウジが湧くにまかせていたから、ちゃんと治癒して脱獄できたんだねー、とも思ったり。




しばらくは、『メディシン・クエスト』三昧になりそうな気配笑ラヴネコ



では。






 

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